カテゴリ: 雑学

フロギストンというのは「燃素」という意味です。
かつて、化学の世界では物が燃えるのは、燃焼物に燃素が入っているからだと考えられていました。
木や紙を燃やすと質量が減ります。木や紙の中に燃素が含まれ、火をつけてそれが消費された結果、
質量が減ると考えたそうです。

実際は、木や紙の中の炭素が空気中の酸素と結合し二酸化炭素として排出されたため質量が減ったので
考え方自体は間違っていないのですが、銅などの金属を燃やした時に
逆に質量が増える(銅+酸素=酸化銅)ことの説明ができないことや、
ラボアジェが酸素を発見したことによって、フロギストンという考えは否定されていきました。

さて、この業界ではよく「プロジェクトで炎上」という言葉が出てきます。検索してみると
「納期が迫っているものの、システムを納品する目処が立たず、
SEやプログラマが徹夜も厭わず過酷な状況で働き続けなくてはならない状態」
とあります。概ね間違ってはいないでしょう。

では、なぜ「炎上」するのか?

それは、プロジェクトの中に「燃素」が存在するためではないか?

では、その「燃素」とは?

このブログでは、プロジェクトの「燃素」を明らかにすることを主な目的としています。
炎上の原因となる燃素を見つけ出し、それを排除することで
無事にプロジェクトが完遂できる手伝いが少しでもできれば幸いです。

今回は趣向を変えて、私が最近読んだ本をご紹介したいと思います。 その本とは、ずばり

「量子論」を楽しむ本―ミクロの世界から宇宙まで最先端物理学が図解でわかる! (PHP文庫)

この中の量子コンピュータに関する記述に関して、
「現在のコンピュータは、あらゆる情報を二進数の数字に置き換えて計算・処理を行っています。(中略)
 これに対して量子コンピュータは、量子論の『重ね合わせ』 の原理を用いることで、従来のコンピュータにはできない『並行処理』をおこなうことが可能だとされています。従来のコンピュータが情報を『0』か『1』のかの二種類だけで判断していくのに対して、量子コンピュータでは『0』と『1』が重ね合わさった状態(『0』と『1』の中間の状態)を無数に用意して、それぞれに情報を持たせて計算をおこなうことで、一度に大量の情報処理を可能にするのです。」

・・・・・意味わかったでしょうか?
私の頭ではほとんど理解の範囲外で、まぁ、とにかく量子コンピュータならめっちゃ速い計算ができるんだということくらいしかわかりませんでした。

 ブログ主が意味不明なものをなんで紹介したんだと思うかもしれませんが、興味を引いたのは次の部分です。

「量子コンピュータの高い能力の一つに『素因数分解』をあっという間におこなえるというものがあります。素因数分解とは、数字を素数の積に分解することです。たとえば851を素因数分解すると23×37になります。23と37を掛けると851になることは誰でもすぐに計算できますが、851を素因数分解するためには『1から851までの数で一つ一つ割っていく』よりも早い計算方法がないとされています。
 ところでセキュリティ管理が重要な現代において、もっとも解読が難しい暗号に『公開鍵方式』があります。情報の受け手は素数である『秘密鍵』をいくつか持っていて、それを掛け合わせた数を『公開鍵』として一般に公開し、受け手に情報を送りたい人は公開鍵で情報を暗号化して受け手に送ります。この暗号情報を読むためには秘密鍵である元の素数が必要になりますが、大きな桁の数を素因数分解するにはスーパーコンピュータで計算しても何千年も時間がかかるため、他者が暗号情報を解読することは事実上不可能とされているのです。」

大変わかりやすい公開鍵暗号方式の説明に、思わず感動してしまいました。

他にも興味深い内容が多く、タイトル通り量子論を「楽しむ」本となっています。
よろしければ、ぜひご一読を。

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